国語って

思い出(なかのひと)

米津さんが谷川俊太郎さんの死を悼んでコメントを出していた。

丁寧に選んだであろう言葉に彼のセンスが輝いていて、さすがだなぁと思う。

谷川俊太郎さんの作品は、中学の教科書に載っていた『朝のリレー』しか知らないけど、カムチャッカがどこにあるのかもよくわからないながらに『カムチャッカの若者が…』のフレーズを強く覚えている。

自分がいる地点では日が暮れてゆくけれど、地球の反対側では世が明けて朝が訪れる様をリレーと表し、地球が自転を続ける限り、それが繰り返されていく連続性と永続性を感じさせる。

この続いていく感じと、朝という始まりを象徴する清々しさに幸福な気持ちになる作品だと思ってる。

国語の教科書の数多ある物語や詩で覚えいるのは、きっと感動したり、発見したり、なんかおもろいと感じたものなんだろう。

初めて読んだ時に泣いてしまった『おかあさんの木』、”ノリオ、ノリちゃん、この悪坊主”のフレーズがクラスでちょっと流行した『川とノリオ』。

いずれも戦争が背景にあって、描かれた人びとは戦禍によって大切なものを無くし、それはとても悲しくて、やるせなくて、でもなんとかして日々を紡いでいる様子にいじらしさを感じ、戦争はクソと感じた作品。

タイトルは思い出せないけど、小学の国語の教科書にあった説明文で線香花火とエチレンガスについて書かれたもの。

線香花火のそれは、燃焼の過程を説明したもので、いちばん盛り上がりをみせる火花が『松葉』という名称だとことをここで知った。

今でも線香花火をするときは”松葉”に到達するとこの説明文のことを思い出す。

またエチレンガスに関するものでは、りんごを他の野菜や果物と一緒にしておくと、エチレンガスの影響で熟成が進んで、早く腐るということを知った。

りんごを保存するときは他のと離しておいている。

いままでの学生生活できっと途方もない時間を勉学に注ぎ込んだろうけど,思い出せるのはほんの僅かで。

こんなのがあったな、と思い出すことができる作品はわたしにきっと何かを与えてくれた尊いもの。

そのひとつでもある『朝のリレー』

作者の谷川俊太郎さんのご冥福をお祈りします。

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